殺身成仁の精神

投稿日:2011-04-10 - 投稿者(文責):mumeijin

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論語 巻第八 衛靈公 第十五 九
子曰、志士仁人、無求生以害仁、有殺身以成仁
(子曰く、志士仁人は、生を求めて以て仁を害する事無し。身を殺して仁を成す事有り)

asahi.com 3月18日より

【北京=吉岡桂子】東日本大震災の発生直後、中国・大連から宮城県女川町へ働きに来ていた研修生20人に「津波が来るぞ」と警告し、高台の神社に避難させたあと、自らは津波にのまれた――。ある日本人男性の自己犠牲が中国メディアで報じられ、静かな感動を呼んでいる。

 国営新華社通信が18日までに伝えたところによると、その男性は、女川町にある水産加工会社、「佐藤水産」専務の「佐藤充」さんだという。同社は、生ウニを東京・築地市場などに出荷しており、中国人研修生たちは加工や出荷に携わってきた。

 地震発生時、津波の知識を持たず宿舎近くに逃れた研修生たちを、佐藤さんは「もっと高いところへ」と神社へ誘導した。そして再び宿舎に戻ったところを津波が襲った。

 ある研修生は「彼が津波にのまれていくのを見た」と、新華社の取材に対し嗚咽(おえつ)しながら語った。大雪となった震災当日の晩、佐藤さんの兄にあたる社長は、研修生の寝泊まり先を探して奔走、知人の家を見つけてくれた。研修生たちは「現地の人々の助けがなければ今の私はない」などと話しているという。

 記事を「感動」というタイトルで掲載した北京の新聞、新京報には「愛には国境はない」などとコメントが寄せられているという。中国のインターネットサイトには、以前からの厳しい対日感情を反映して、東日本大震災で「日本に天罰が下った」などというコメントがみられる一方で、佐藤さんのような日本人の振る舞いに敬意を表す人々も増えている。

 佐藤さんは御賽銭を神社に奉納・祈願を行った後、神社から再び海岸側の宿舎に戻った事をも中国東北部(旧満洲)出身の中国人研修生が語っていました。命を賭した他者の行動を目撃した時、己の言葉は余りに浅薄でそして空々しい事に気付かされるのです。


河内長野市商工会青年部オフィシャルサイト