馬英九総統 “尖閣諸島領有”主張の旅

投稿日:2012-09-08 - 投稿者(文責):mumeijin

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7/3  メドヴェージェフ露首相による国後島上陸

8/10 李明博韓国大統領、島根県隠岐郡竹島への上陸

8/15 「香港保釣行動委員会」メンバーによる沖縄県 尖閣諸島上陸

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 この2ヶ月、中露韓による日本国領土に対する挑発的な不法侵入が相次いだが、新たにここで尖閣諸島の領有権を主張する台湾の政権党・中国国民党が対日強硬パフォーマンスに参入している。

 昨日(9/7)、台湾の馬英九総統は尖閣諸島の西方140kmに位置する彭佳嶼(ホウカショ)をヘリコプターで訪問。「釣魚台列嶼(尖閣諸島の中国国民党側呼称)は中華民国固有の領土であり又台湾附属島嶼であり、台湾に所属しており絶対に譲らない」「(尖閣諸島の)日本の国有化は絶対に認められない」とあらためて「中華民国」による尖閣諸島領有権を主張している。馬英九氏がこの彭佳嶼を視察したのは総統就任以来始めてとのこと。

 彭佳嶼は沖縄県・尖閣諸島に最も近い台湾の有人島。基隆の北方60kmにあたり周囲4kmの小島である。この台湾の北方領土を視察するに当たり総統護衛のためとして戦闘機8機、ミサイルフリゲート艦など艦艇13隻が投入されたとの報道がなされている。あたかも中露韓の行動に刺激を受けた日本に対する示威行為のごとくである。台湾国内では巨費を投じたこのあからさまなパフォーマンスに対して「国費の無駄遣い」という批判や「プーチン露大統領のマッチョイズムの物真似」といった嘲笑が出ているが、現時点[9/10(月) AM10:30]において日本国政府による今回の馬英九発言に対する抗議声明は行われていない。

 彭佳嶼滞在中の馬英九総統は「和平対話、互恵協商」として日中、日台、中台の個別対話から、三者による共同利益協議を経て、段階的に資源共有や共同開発を目指すことを呼びかけている。他国(=日本)の領土に由来する資源を自国(中華民国)が差配しようという魂胆は、尖閣諸島を「中華人民共和国台湾省付属島嶼である釣魚台」と虚偽の主張を続ける中国共産党の覚えもめでたい。7日、中国外務省は馬英九氏の彭佳嶼視察を「両岸(中台)が釣魚島(尖閣諸島の中国名)の主権を守る責任がある」と評価している。なるほど馬英九氏は中国共産党からの信頼が厚い人物である。

(*)右写真:彭佳嶼での馬英九氏。後方にみえるのは日本統治時代に建設された築百年以上になる灯台だが現役で台湾中央気象局が使用している。

 中華民国政府が公式に尖閣諸島の領有権を主張したのは1971年(昭和46)4月、同年12月中華人民共和国が自国領土であることを公式に主張。国連アジア極東経済委員会(Economic Commission for Asia and the Far East/略称ECAFE)による東シナ海の大陸棚での石油資源埋蔵の可能性が言及されたのち、無名の存在であった尖閣諸島が注目され始めたことは広く知られている。1972年の沖縄返還(沖縄復帰)の際に尖閣諸島の施政権が日本に返還されることを恐れた中華民国政府と米国留学組の中国国民党党員学生が保釣運動を開始、その中には当時二十歳であった馬英九氏も参加している。そう、馬英九氏こそが台湾における保釣運動の嚆矢といえる人物なのである。

 当然のごとく台湾で使用されている地図で1971年以前のものには「釣魚台」の名はない。日本の地名呼称である「尖閣諸島」(地図上矢印A)や「魚釣島」(同矢印B)「北小島」「南小島」「久場島」の島名が正確に記載されており、日本との国境線(同矢印C)は尖閣諸島を含まないように描かれている。この現象は中華人民共和国の地図帳においても同様であるが、1971年を境に台湾で使用される地図帳では「尖閣諸島」にかわり「釣魚台列嶼」という名称が登場することとなる。この様に尖閣諸島が断じて「釣魚台列嶼」ではないことを最も理解しているのが馬英九氏であり中国国民党である。

『世界地図帳』1965年(昭和40) 中華民国国防研究院・地学研究所作成

 上に掲載の『世界地図帳』は近現代史研究家・ジャーナリストの水間政憲氏が以前より広く紹介されているものである。水間氏の近著には中国、韓国側が主張してやまない虚妄の偽史を、多くの一次史料を掲載してその誤りを指摘、良書である(8日現在 版元品切れ)

『ひと目でわかる日韓・日中 歴史の真実』PHP研究所
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-80686-0
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 この度、尖閣諸島購入において地権者と東京都との契約に代わり、国と地権者との間で合意がなされた事が決定された。この不可解な情勢の変化に対して石原慎太郎東京都知事に対して寄附金を拠出した有志は強い違和感を感じたはずだ。

 政府は7日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関する関係閣僚会議を10日に開いて魚釣島、南小島、北小島の3島の国有化を正式決定する方針を決めた。11日の閣議で購入費を予備費から支出することを決め、同日に地権者と売買契約書を交わす。

 購入額は20億5000万円。野田佳彦首相は7日に首相官邸で行われた米CNNのインタビューで「国が尖閣諸島を買う目的は、平穏かつ安定的な維持管理の継続だ。中国にも説明していきたい」と購入を初めて明言した。

 尖閣国有化は、長浜博行官房副長官が3日に埼玉県在住の地権者と合意した。これを受け、長島昭久首相補佐官が4日、購入を目指している東京都の石原慎太郎知事に会い、石原氏が求めている漁船の避難港や灯台の整備は見送る方針を伝えていた。[毎日新聞 9/8報道]

 「平穏かつ安定的な維持管理の継続」「漁船の避難港や灯台の整備、(人員の駐屯)を見送る」との野田首相の相変わらずの態度を「中国に対しては従来通りの事勿れ主義を貫き、今後も現状維持で中国を刺激する事は行わない」と読み替えている日本国民は多いだろう。一体、我が日本はいつまで 中国の覇権主義に対して不必要で危険な配慮をし続けるつもりなのだろうか。

 中国共産党は尖閣諸島国有化の動きに対して表面上非難を行いながらも「右翼石原」による尖閣諸島購入より、遥かに“物分かりの良い”「優等生野田佳彦首相」による国有化に理解を示している向きがある。

 馬英九氏同様、野田民主党政権も中国共産党からの覚えが良いのである。

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河内長野市商工会青年部オフィシャルサイト