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台灣指標調查研究股份有限公司（台灣指標民調/Taiwan Indicators Survey Research/TISR）が今年一月におこなった輿論調査「台灣民心動態調查、統獨與中國印象」の結果が興味深いものでしたのでごく簡単に紹介いたします。

まず下の表『台灣最終應該獨立』は、次の質問に対する回答を2006年からの推移図にしたもの。

［質問］
台湾が最終的に独立して新国家となることに賛成ですか、それとも不賛成（反対）ですか？

〇賛成　　 44.0%（「非常に賛成（21.6%）」&「まあ賛成（22.4%）」）
〇不賛成　 37.4%（「賛成出来ない点が有る（19.3%）」&「全く賛成出来ない（18.1%）」）
〇分らない 18.6%
〇＆未回答　

台湾の中華民国(中国)体制からの独立、そして新国家建設を望む者は、望まない者に比較し6.6%の差を開けており台湾独立層の優勢であることが示されている。しかし馬英九中国国民党主席の総統再選後の昨年夏の調査において55.4%であった独立支持層は11.4ポイント減少、独立不支持層が7.5ポイント増加していることは見逃せない。今回のこの調査においては台湾人の独立意欲の低下が顕著であることが数字で表される結果となっている。

なお泛綠派（グリーン陣営/民進党、台湾団結連盟）支持者の回答者のうち68.7%が台湾独立に贊成、21.1%が反対の立場。一方の泛藍派（ブルー陣営/中国国民党、親民党）支持者の回答では台湾独立賛成に26.9%、反対は59.5%という結果となっている。

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次に下の『兩岸最終應該統一』の表題の図は、次の質問に対する同じく2006年以降の回答をグラフ化したものである。

［質問］
台湾は最終的に中共（中華人民共和国）と統一することに賛成ですか？それとも不賛成（反対）ですか？

〇賛成　　 20.9%（「非常に賛成（5.9%）」&「まあ賛成（15.0%）」）
〇不賛成　 63.6%（「賛成出来ない点が有る（22.7%）」&「全く賛成出来ない（40.9%）」）
〇分らない 15.5%
〇＆未回答

なおこのうち泛藍連盟支持者の回答者のうち「中台統一」に賛成が38.7%、統一反対は47.8%となっている。

「中台統一」に賛意を表す者が二割、反対が六割以上。大半の台湾人にとり中国との「統一」などは有り得ないという事である。「中台統一」に賛成の者の積極肯定者の多くは、台湾で声高に尖閣諸島の領有を主張するなどの中華民族意識の強い在台中国人と呼称される一群である。

なお台湾・政治大学の調査によれば、台湾で「自分のことを中国人であると認識」する人は、1991年（平成3）に26％であった。2001年（平成13）になるとこの数字は10％まで減少し、2011年（平成23）には僅かに4.1％となっている。この台湾社会の極少数派である在台中華民族意識の強い一群は、「中台統一」積極賛成の数字5.9%に近い。

その逆に「自分は台湾人である」と認識する人は20％（1991年）～48％（2001年）～54.2%（2011年）と推移している。台湾では中国人意識は確実に減少し台湾民族意識は確実に拡大しているようである。しかしその一方で中台統一志向の者が一時に比べやや増加傾向にあり二割を維持していることが注目される。 ・

なおこの調査での「中国大陸は全体として信用出来ますか？信用出来ないですか」との質問では、

〇信用出来る・・16.2%(「とても信用出来る(1.3%)」& 「ある程度信用出来る(14.9%)」
〇信用出来ない・69.2%(「信用出来ない点が有る(31.8%)」& 「絶対信用出来ない(37.4%)」

以上の様に台湾人の中国に対する信用度は断然低いことが判る。中国が信用出来る（16％）そして「中台統一賛成」（21％）といい約二割に確信的な親中派が存在するということだろうか。在台中国人の馬英九総統を中心とする侮ることの出来ない親中勢力とみなすべきである。何よりこの二割の存在の後見人には台湾を核心的利益とする中国共産党という手強い存在が控えている。

その馬英九氏に対する今調査での評価であるが、支持率26.3%、不支持率58.2%、滿意（満足）18.2%、不滿意（不満足）71.3%という結果となっている。

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◇この輿論調査の更なる詳細は次のリンク先を参照の事

台灣指標民調(TISR)『台灣民心動態調查、統獨與中國印象」民調 新聞稿』http://www.tisr.com.tw/wp-content/uploads/2013/01/TISR_TMBS_201301_2.pdf
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