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今年８月１９日、永山英樹台湾研究フォーラム会長（／頑張れ日本！全国行動委員会常任幹事）は尖閣諸島沖合で台湾人に向けた訴えを行いその様子を動画投稿している。「尖閣諸島は日本固有の領土である。この史実を理解して頂きたい。馬英九中国国民党(KMT)政権、ましてや中国共産党政権の嘘(政治宣伝)に騙されてはいけない。日台は共同して中国の覇権主義に対抗しなければならない」という趣旨の内容であり、これについては以前紹介を行った(＊1)。

今回紹介するのは媚中派メディアと台湾人からも看做されている「中天電視」が９月２１日に放送したものである。タイトルは『日本右翼の妄言「馬関条約(＊２)で魚釣島は日本に属したものではない」「（日本と）台湾は共同して中国に対抗しよう！」』。ここでの日本右翼とは永山英樹氏のことを指す。永山氏らにより撮影された動画を使用し中天電視が尖閣諸島に関する虚偽の情報を台湾人に向けて報道しているものである。

９月下旬に尖閣諸島（台灣側呼称：釣魚台列嶼）海域に侵入した台湾漁船、これら台湾人漁民に資金提供を行っていたのが近年中国に市場を拡大させる蔡衍明会長率いる「旺旺集團」であることは知られている。中天電視（TV）は中国時報（新聞）と共にこの「旺旺集團」の傘下にあり、過度な中国寄りの報道姿勢が台湾でも問題視されているメディアである。昨年４月に『全民最大党』というバラエティー番組内で東日本大震災での天皇皇后両陛下の被災者慰問を侮辱する番組を放送したことで日本でも悪評がたった。あの中天電視である。

今回その動画を下に掲載しております。
動画上でのアナウンサー、ナレーター、そして永山英樹氏の会話は日本語訳されており、尖閣諸島の領有権に関して台湾人に正確な認識を求めた「日本右翼(=永山英樹氏)」を批判する中天電視の報道姿勢を垣間見ることが出来る。

(＊1)
8/23條 「從尖閣海域致台灣朋友／尖閣海域から台湾へ送ったメッセージ」
－永山英樹台湾研究フォーラム会長の声明（上）－
http://ilha-formosa.org/?p=19445

8/24條【付記】「從尖閣海域致台灣朋友／尖閣海域から台湾へ送ったメッセージ」
－永山英樹台湾研究フォーラム会長の声明について（下）－
http://ilha-formosa.org/?p=19565

（＊2）日清戦争後の講和条約である下関条約の別称

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【日本語解説】
これは「日本の右翼はでたらめを言っている」と題する台湾の媚中メディア「中天テレビ」のニュース映像で、２０１２年９月２１日に放映された。

中国人の尖閣諸島の主権の主張は最初から破綻している。１８９５年の馬關条約で清朝が日本へ割譲した「台湾附属島嶼」の中に尖閣諸島は含まれていないからだ。しかし中天テレビはこの歴史の真実を否定するため、米国が沖縄返還の際、基地の存続を交換条件に尖閣を日本へ渡したとの歴史捏造を行った。台湾人はこのような媚中メディアに、いつまで騙され続けるのか。

以下はニュース映像の日本語訳である。

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[アナウンサー]
釣魚台情勢の収拾がつかなくなっているにかかわらず、日本の右翼団体は台湾の民衆に対し、日本が釣魚台の主権を主張する根拠に理解を求めました。右翼団体「頑張れ日本！全国行動委員会」は特にネット上で映像まで制作し、「これは台湾の友人たちへのメッセージだ」と言っていますので、見てみましょう。（※映像は個人が製作したもので、「頑張れ日本」とは無関係）

[ナレーター]
8月中旬、釣魚台列島に一隻の船が出現。船上では撮影が行われました。話をしているのは「頑張れ日本！全国行動委員会」の常任幹事、永山英樹。テーマは「台湾の友人たちへのメッセージ」。

[永山英樹氏]
台湾の友人の皆さん。尖閣諸島は100％、日本の領土です。なぜなら1895年の馬關（下関）条約が規定する「台湾附属島嶼」に尖閣は含まれてはいないからです。無主の地だった尖閣は日本に領有され、条約締結の時にはすでに日本の領土になっていたのです。台湾の友人の皆さんにはこの事実を理解してほしいと思います。そして日本と台湾は東シナ海の平和と安全のため、共同して中国に対抗していかなくてはなりません。ありがとうございます。

[ナレーター]
この人が台湾人に向けて話しているのは言うまでもなく一方的な事実の主張。事実を言えば釣魚台を日本へ渡したのは米国人。1972年、米軍が沖縄での軍事基地の利益を維持できるようにするため、（沖縄と共に）釣魚台も渡したのだ。中華民国政府は1972年に抗議を行ったが、地域政治、冷戦への利益配慮により、国際強権下において中華民国の利益はこのように犠牲となったのでした。現在の紛糾は、明らかに40年前の出来事の後遺症なのです。

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