【TAIPEI TIMES報道】「馬英九のNY訪問、抗議を招く」

投稿日:2013-08-13 - 投稿者(文責):mumeijin

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台湾総統、中南米へ NYも初訪問 [日本経済新聞 8月12日(月)記事]

台湾の馬英九総統は11日、南米パラグアイで15日に開かれるカルテス新大統領の就任式典出席などのため空路、台湾を出発した。経由地の米ニューヨークに総統就任後初めて立ち寄り、ブルームバーグ市長や米議会関係者らと会談するほか、母校ニューヨーク大も訪れる予定。その後パラグアイやハイチなど中南米5カ国を訪れ、ロサンゼルス経由で22日に台湾に戻る。

馬氏の前に総統を務めた陳水扁、李登輝の両氏も在任時に訪米、国連や大学で演説し、台湾の外交活動を認めない中国の反発を招いた。一方両氏に比べ対中関係を重視する馬氏は今回、中国を刺激する言動は控えるとみられる。(台北=共同)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1200C_S3A810C1EB1000/


NYで馬英九を待ち構えていた抗議者の声がTAIPEI TIMESに掲載されており、ここに翻訳紹介する次第。
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馬英九のNY訪問、抗議を招く [8月13日記事]

日曜日(8/11)夜、数十名の抗議者が馬英九総統がパラグアイ訪問途中に私的な夕食会を開いたGrand Hyatt New York Hotelの外に集まった。

この夕食会には、中華公所(CCBA:Chinese Consolidated Benevolent Association=直訳すると「中華福祉連合会」か)メンバー、台湾の映画監督 李安(Ang Lee)と中国人芸術家 蔡國強が参加している。

抗議活動の招集人・賴宏典氏(マンハッタン地区で歯科医を務める)は次の様に語っている。

「馬英九の訪問は金曜日迄知らなかった。また集会は少数の人々により急遽組織されたのです」
「私達はこれほど大勢が集まるとは期待していなかったのですよ」

彼と仲間達は警察に対し15人位が参加するだろうと伝えていた。

抗議者は「台湾を(中国)に売り渡すことを止めろ」「人権抑圧を止めろ」また「今日、大埔を取り壊すならば、我々は明日政府を倒す」「第四原子力発電所建設中止を」「殺された洪仲丘事件の真相究明を」といったより政治的なメッセージを掲げ、そして「陳水扁前総統の釈放を要請する」とコールした。

賴氏は殆どの在外台湾人は馬英九が台湾を統治する事に不満であるとし、「彼を信じると騙される」と話す。

加えて彼等は特に「海峡両岸サービス貿易協定(*1)」について危惧している。多くの台湾人は馬英九が「台湾を(中国に)に売り渡す」意図を加速させるものだと見做している。

予期せぬ抗議者数にもかかわらず、ニューヨーク市警本部担当者は介入する事無く、抗議活動の継続を認めた。

賴氏はまた馬政権の対中融和政策を批判した。
「私は馬英九が何を恐れているのか解らない」「馬英九は米国に於いて親中団体と緊密な関係を持つが、台湾人の団体を避けている様に見える」

賴氏「馬政権は権力を掌握して以来『真の台湾人』として働いていない」
又こう付け加えた「陳水扁政権では台湾が国際社会に発言し外交情勢を強調したのとは対照的に、馬英九統治下では台湾は沈黙させられた」

賴氏は更にNYのチャイナタウンで馬英九が訪問を予定しているCCBAでのブランチ(brunch=朝昼兼用の食事タイム)を酷評し「中華公所(CCBA)には全く台湾人はいないのですよ」「CCBAは全く台湾と関係がないことは言える」「中国人だけが馬英九の旅行日程を知っている様に見える」と語った。

「これはいかに馬英九が中国系組織とだけ連絡を取るが、多くの「本当の台湾人」同朋と連絡を取らないでいるかのもう一つの例である」と賴氏は語った。この会(CCBA)は1883年に設立されており、米国における最初期の中国人団体の一つである。

馬英九は、台湾と外交関係のある五ヶ国(南米パラグアイとカリブ海の四ヶ国)歴訪のトランジット中にニューヨークに滞在していた。彼はジョン・F・ケネディ国際空港でレイモンド・バッガード米国在台湾協会理事長と金溥聰 駐米台北経済文化代表処長に出迎えられている。

ニューヨーク滞在中、馬英九はエド・ロイス下院外交委員長とエリオット・エンゲル外交委筆頭委員と会見する。

彼は2001年9月11日、テロリストに攻撃された現場と馬英九がかつて学んだ場所であるニューヨーク大学を訪れる予定である。

馬英九は明日ハイチに向って出発するまでNYに滞在する予定で、ハイチから、その後パラグアイ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、そしてセントビンセント・グレナディーン諸島(*2)へ向かう予定である。

TAIPEI TIMES:
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2013/08/13/2003569569/1


(*1) 上海で6月21日、中国の海峡両岸関係協会の陳徳銘会長と台湾の海峡交流基金会の林中森董事長がトップ会談を行い、「海峡両岸サービス貿易協定」を締結した。本協定は2010年に締結された「海峡両岸経済協力枠組み協定」(ECFA)に続くものの1つで、中国側が80項目、台湾側が64項目の市場開放に合意した。

(*2)五ヶ国とも小国ではあるが台湾を中国の正統政権「中華民国(Republic of China)」として国家承認している。

中華民国外交部資料「邦交国」によると現在23ヶ国。大洋州、中南米、カリブ海島嶼国、アフリカを中心とする。欧州はヴァチカン市国のみ。マケドニア共和国とは2001年6月に断交。
http://www.mofa.gov.tw/Official/Regions/AlliesIndex/?opno=777f1778-f578-4148-b22a-b62f81be5f57


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